DSやSMについて思うこと

DSやSMについてぼくなりに思うことを書いてみる

彼女との別れ

こんばんは


実は昨年末まで、かわいいペットを一人飼っていました。

普段はLINEで辱められ、焦らされ悶えさせ、月に一回程度、週末を一緒に過ごすときには縛られ嬲られ犯されて、ヨダレを垂らしながらイキ狂うかわいい女でした。


彼女は30代半ばでぼくはアラカンです。

二人とも独身なので結婚しようと思えばできたのですが、彼女には子どもを産みたいという夢がありました。

ぼくは子どもを欲しいとは思っていませんでしたので

「おまえの夢を叶えてくれる男を探しなさい。見つけたらしっかり捕まえて逃すんじゃないよ」

と伝えてありました。


昨年の11月です。

「結婚を前提に付き合ってほしいと申し出を受けたのですが、どうしたらよいでしょう?」

と彼女から訊ねられました。

「おまえ次第だね。付き合ってみたいという気持ちがあれば付き合ってみたらいい」

とぼくは返事をしました。

子どもを産むなら時間的にも猶予はありません。

嫌いな相手なら断ればいいし、好ましい相手なら試してみればいいのです。

彼女は「断れ」と言ってもらいたかったのかもしれません。

少し困ったような顔をしていましたが、

「申し出を受けてみます」

とうつむきながら彼女は答えました。


それから彼との進捗は逐一報告がありました。

実家で両親に紹介もされ、素行や言動に引っ掛かる点はなく、良さそうな男性に思えました。

彼女もぼくに報告するとき嬉しさを隠しきれず、そのことで自分を責めている節もありましたが、ぼくは気付かないフリをしていました。


その間もぼくは彼女を嬲り、メスとして可愛がりましたが、彼のことを材料に嬲ることは一切しませんでした。


彼女が一番気にしていたのは自分のMとしての性癖を彼が受け入れてくれるか否か、でした。

「心配しなくても男は多かれ少なかれSの気質がある。おまえが彼のSを刺激して、逆調教してやればいい」

とぼくは教えてやりました。

とはいえ、上手くいかず、ぼくの手元に残ってほしいという気持ちがあったのも事実です。


そして12月に入り、クリスマスの週末。

彼に旅行に誘われ温泉に行くことになりました。

帰ってきてから報告させると、彼はSの気質があり、彼女なりにセーブしたそうですが、悶え方をみて眼を輝かせていたそうです。そして一度果てたあと、彼女を抱きしめて

「オレはおまえを離さない。絶対幸せにしてやる」

と言ってくれたそうです。

そう報告しながら彼女は泣きました。

そして

「年末、そちらに伺わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」

と覚悟を決めたように言いました。

最後の時間になることは分かっていました。

「いいよ。日程はおまえの都合に合わせよう」

おそらく大晦日、元日は彼や家族と会わなければならないでしょう。

いつもはぼくの日程に合わさせていましたが、最後は彼女の都合に合わせました。

「それでは29日、30日でお願いします」


そうしてその2日間、すべてを吐き出すように激しく愛し合いました。

「渾身の力で嬲られるのはこれが最後になるだろう。思い残すことがないように、心ゆくまで味わっておけ」

彼女は縛られ、鞭打たれ、良がりながら涙を流しましたが、いつもの喜びの涙だけではなかった気がします。

責めて責めて責め抜いて、すべてを受け止めてぐったりした彼女を抱きしめてぼくも泣きました。

そのとき、彼女は荒い息のなかで、微かに笑みをたたえながら囁きました。

「今日までありがとうございました。あなたに出会えて、愛していただいて、わたしは幸せでした」

ぼくは彼女を抱え、温めの風呂に入り、身体を清めた後、抱き合いながら眠りました。


翌日は手を繋いで東京駅まで行きました。

ずっとそうしていたかったのですが、時の流れは止まってはくれません。

新幹線の改札の手前で手を離し

「おまえに会えて、オレも幸せだった。どうか幸せになってくれ」

と伝えました。

彼女はコーヒーショップの陰にぼくを連れて行くと、ちょっと周りを見回しました。

誰にも注目されていないことを確かめるとぼくの頬を両手で挟み、キスをしました。

唇と唇を合わせ、一瞬だけ彼女の舌がぼくの唇を撫でたように思います。

すぐに顔を離すと

「さよなら」

とはっきりとした声で言いました。

「さよなら」

ぼくも返事しましたが、情け無いことに声は震えていたと思います。

彼女の表情がゆがみ、目に涙が溜まったと思ったら、自分から身体を離し、改札口に入って行きました。


こうしてぼくは彼女を手放しました。

×

非ログインユーザーとして返信する